
工事を行う前に、起工測量というものを必ず行わければなりません。起工測量とは、現場の形状を把握し、設計や工事などの数量算出のために重要な測量です。今までは、TS(トータルステーション)を用いた人力で行なっていました。しかし、トータルステーションでの測量は計測するポイントが少なく、一日当たりのポイント数が千数百ということもありますが、ドローンを活用した測量では、オルソ画像(真上から現場を見たような画像)を専用ソフトウェアで作成する事により、従来法と比べ、作業時間やデータ収集する時間、また費用を大幅に削減出来るメリットがあります。
ドローンを使用した空撮による測量は、近頃その勢いを増しています。従来の、有人機を使用する方法やGNSSのみを使用する方法に比べて、大幅な時間とコストの削減が可能になり、測量作業が手軽に行えるようになりました。3~4週間ほどかけて行っていた作業をドローンは3,4日でこなしてしまうのです。時間や費用の面でのメリットはほんの一部であり、ドローンが可能にすることはこれ以外にも計り知れないほどあります。
- ドローン測量の作業フロー
まず測量を行う土地の調査を行います。具体的な測量対象物と併せて、地形情報や障害物の確認も行います。現場確認が終わると、地図をもとにした飛行計画の作成に移ります。次に、現場やその周辺にGCP(Ground Control Point;既知点)を設置していきます。このGCPの設置によりデータの精度向上が見込まれます。その後、事前に作成しておいた飛行プランをもとにドローンを対象地に自動飛行させます。ドローンの飛行中、機体に搭載されたカメラによって何枚もの動画像を撮影していきます。飛行終了後、帰還したドローンから動画像データを採取し、適当なソフトウェアを用いて最終的に3次元モデルや点群などを作成、解析を行います。
広大な敷地でも、より効率的に作業を執り行え飛躍的な生産性の向上が期待でき、また作業員では現場調査が困難だった高所や危険地域の計測も、安全に作業を進める事ができます、国土交通省が導入を進める”i-Construction”により、建設現場で急速にドローンが活用される機会が増えています。この新しい方法では、従来の測量手法と比較して革新的であり、測量のこれからを大きく変えていきます。