
- 土木分野におけるICT
ICTとはInformartion and Communication Technologyの略で、情報通信技術のことをさします。2008年より、土木工事の分野において導入が開始された情報化施工で、施工の段階でこのICTを活用することで作業効率や質の大幅な向上が実現しました。
- マシンコントロールとマシンガイダンス
マシンガイダンスとマシンコントロールは建機の位置情報を利用して行う建設用機械の操縦システムです。
まず衛星データを利用するGNSSや地上に機材を設置して行うTS等の測位手段を用いて施工に使用する建機の位置を特定し、施工対象の設計データと現地盤データ(測量データ)との差分を、建機の操縦席のモニターに提供して映し出させ、操作をサポートすることをマシンガイダンスと呼びます。導入の対象機種はブルドーザ、バックホウなどです。また、マシンガイダンスは、既存の建設機械に後から設置することが可能なので、導入を検討する際に新たに機械を購入する必要はありません。

マシンコントロールはマシンガイダンスに油圧制御のシステムを加えたもので、施工箇所の3次元設計データを利用して機械をリアルタイムで自動制御しながら施工を行う技術を指します。こちらの導入の対象機種はブルドーザ、モータグレーダ、アスファルトフィニッシャなどとなっています。
土木現場での以上2つの技術の導入は、施工の効率化や作業品質の向上といった効果が見込まれています。

- 従来の施工方法との差
それではこれまで主流とされてきた施工方法とはどのような違いがあるのでしょうか。その違いは座標計算の段階から現れます。従来は図面情報に基づいて座標計算を行っていたのが、3次元設計データをもとに座標を算出します。そして従来との差でもっとも顕著なのが、測量・丁張・検測といった今まで人の手で直接行われていた作業工程が省略可能となったことでしょう。
丁張の設置、施工、検測の工程は作業を進めるにあたって、何度も繰り返し行わなければならなかったため、これら工程を省いて電子丁張を行ってすぐに施工に移ることができるのは革新的であります。また、表土除去の際には施工対象の土地形状に合わせてミリメートル級の細かい設定ができるため、発生する土壌の量を減らすことができるのです。さらに、自動制御機能搭載の建機では経験のない方でも、簡単に施工が行うことが可能となります。