
国土交通省が2016年より導入を推し進めているi-Constructionでは、「ICT/情報化」がキーワードとなっています。そこで重要になってくるものの1つがデータ等の正確性です。従来人間が行っていた作業工程の大部分を、機械や電子データに置きかえるということは、その使用機器やデータの精度によって作業全体の質が変わってくるということになります。
中でも重要なのが、どの工程においても一貫して使用される3次元データの正確性です。3次元データを使用することで複雑な地形や構造物の形状を1つのデータから把握することが可能になります。しかし同時に、そのデータがすべての作業のもととなるため、いかに正確な情報を提示するかがカギとなります。正確性に欠けるデータの使用は、その後の作業計画や施工など全工程に悪影響を与えかねません。
国土交通省は、i-Construction推進の一環としてカギとなるICTの活用に向けて2016年3月末に3次元データによる15の新基準を発表しました。その1つであり、国土地理院が発表した「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」はi-Constructionにかかわる測量作業において適用することを前提に作成されたものです。マニュアル内には2種類の測量成果品を作成する方法が規定されており、1つは数地形図等の地図を作成する方法、そしてもう1つがUAVを用いて三次元点群データを作成するための方法です。
後者はi-Construction にかかわる各種工事のための測量や、土量 計算、縦横断面図の作成、出来高計測、出来形確認等に使用されます。三次元点群測量において要求される精度は平面位置・高さともに0.05m以内であり、標定点の配置間隔は外側が100m、内側で200m以内という基準が作業の指針として記されています。
また、UAVによる空中写真測量の精度基準についても三次元点群測量と基本的には同じです。計測性能は地上画素寸法1㎝/画素以内、測定精度は±5sm以内、そして現場から精度確認試験結果を提出するなどといったことが記されています。